兄さんへ
森進一さんの歌を聞くと、故郷・垂水のことを思い出して、心は昔へと帰っていきます。姉妹は阪神方面で暮らしているのに、86才になる一番上の兄は一人、故郷のケアセンターでお世話になっています。2年前、故郷に帰ったときも、錦江湾の美しい海と空は変わっていませんでした。トビ魚がはねる風景に、「やっぱり鹿児島はよかど」と思い、砂浜で孫に貝殻を拾ってきました。海と山に囲まれた故郷と方言を誇りに思います。兄さん!兄さんに送ったポケットラジオ、今も聞こえますか?兄さんにもらった月下美人が秋には花をつけるのを楽しみにしています。軒先のムペの蔓にはムペの青い実もぶら下がって、まるで故郷の風景が再現されているようです。いつかまた帰れる日を夢に、きれいな海の魚が食べたいな・・・
兵庫県加古郡播磨町宮北 旧姓・大楽スズ子さん
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