おじいさんへ
私は子供の頃、学校が長期休みに入ると、よく静岡の祖父の家に一人で新幹線に乗って遊びに行きました。祖父と魚釣りや夜の街路灯に集まってくるカブトムシを獲りに行ったり、川に泳ぎに行ったり、毎日いろいろなところへ連れて行ってくれました。また、私が車の免許を取ったばかりの時は、本当は怖かっただろうに、嫌な顔一つせず助手席に座って運転練習に付き合ってもくれました。私はそんな祖父が大好きでした。その優しかった祖父が、7年前、病院の一室で息を引き取ったのは、85才の誕生日の前日、8月29日、奇しくも私の誕生日が祖父の命日になってしまいました。そのせいか、亡くなって3年ほどは、私は誕生日を迎えても嬉しくも何ともなく、やりきれない気持ちでしたが、きっと祖父は「自分が可愛がった孫の誕生日をあえて選んで逝ったんだ」と思うようになり、気持ちが少し楽になりました。最後に、「おじいさん、あなたとの数え切れないほどの楽しかった思い出は、私の胸の中の一生の宝です。本当にありがとうございました。」
東京都杉並区 ラジオネーム「満点の星」さん
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