父の想い出というと、やっぱり四角四面だったことを思い出します。だから、子供の私にとっては、父は煙たい存在で大嫌いでした。とにかく曲がったことはダメ。子供だから甘くするとか、「ま、いいか」ということは一切なく、家族みんなが平等でした。そのことで、今でも鮮明に覚えている出来事が…。それは、父が旅行に行くとお土産に必ず細長い洋かんを買ってくるんです。そこまでは嬉しいのですが、それからが大変なんです。なんと父は、洋かんの包みを開くと、物差しを洋かんに当てて長さを測り、1人1人寸分の狂いもなく切るのです。本当に本当に仰天ニュースでしょ。その時の私は「父のケチ」と思いましたけど、今改めて考えてみると、みんなで少しずつ分け合った洋かんの味は、父の愛が詰まっていたなぁという気がして、心が温かくなります。そして、私は何よりも四角四面だったそんな父を、今でも尊敬しています。江利チエミさんの「テネシーワルツ」をお願いします。
東京都北区志茂 ラジオネーム「四角四面大好き」さん
|