父へ
私が子供の頃は五右衛門釜で、ゴミや薪や藁を燃やして風呂を焚いたものです。当時、我が家は8人家族で、末っ子の私の役は風呂焚きでした。まだ日が落ちていない時は、本を読んだり、薪の燃えさしの炭で字を書いて遊んだりしました。五右衛門風呂は技術が必要で、まだ火が燃えている時は、回りの鉄の部分に身体が触れると火傷をしてしまうので、綱渡りの心境で入ったものです。風呂では、父がよく漢字を教えてくれたものです。湯気で曇ったガラスに指で大という字を書き、「いいか、この大のここに点を打つと犬と読むんだぞ。それからなぁ、ここに点を打つと、太いと読むんだ」と教えてくれたことだけを今でも鮮明に覚えています。今思うと笑っちゃいますが、当時はなんて父は物知りなんだろうと感心したものです。その父に贈ります。リクエスト、森田公一とトップギャラン、「下宿屋」。
横浜市港南区日限山 ラジオネーム「近藤勇足」さん
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