父へ
子供の頃、よく母親に言われました。「大学には行かないとお父さんのように苦労するよ」と。父は5人兄弟の長男。中学生の頃、母親に死なれ、進学したかったのに進学出来ませんでした。戦時中は、働きながら勉強ができるという甘い言葉に誘われて広島県の軍需工場で働いたそうです。戦後、大手の繊維メーカーに就職した父ですが、学歴のない父が会社の中でどんなに苦労したか、母の言葉はそれを物語っていました。子を持って知る親の恩といいますが、私も何度も転職を繰り返し、
今も子供の教育費で苦しむ身なので、父の苦労が本当によく分かってきました。そんな父も79歳になり、最近は少し認知症の症状が出てきたといいます。広島で離れて暮らす父に、少しでも親孝行できるまで長生きしてほしいと思うばかりです。父が好きよく歌っていた畠山みどりさんの「出世街道」をリクエストします。
千葉県松戸市 ラジオネーム「千葉のサトル」さん
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