高校の時、新潟から私の学校に転校してきたS君へ
彼との出会いは強烈でした。転校してきたその日に、彼はなぜか教室の窓ガラスを頭で割ってしまったのです。
「ガラスがないかと思った」というのが彼の言葉でした。幸いケガはしませんでしたが、みんなは一斉に不気味な奴という
目で彼を見つめました。でも、私はそのことで逆に彼のことが気になって仕方なくなってしまいました。それから少しずつ
話をするようになり、二ヶ月ほどした時、彼に横浜を案内するということで、日曜日に二人で会ったのです。
それが最初で最後の、たった一度だけのデートでした。なぜなら彼はたった三ヶ月でまた転校して行ってしまったからです。
たった三ヶ月だけの転校生、クラスの中にはS君と一度も話をしなかったという女子もいました。
転校する時、落ち着いたら手紙をくれるといったS君でしたが、結局、彼からの手紙はありませんでした。
あれからもう30年になりますが、私が今まで出会った人の中でS君ほど強烈な印象を残している人はいません。
今でも彼はどうしているのかなと思うことがあります。S君に当時ヒットしていた桑江知子さんの「私のハートは
ストップモーション」を贈ります。
川崎市中原区 ラジオネーム「ピーチパイ」さん |