今は鹿児島にいる友達へ
初めておハガキを書いています。いつもラジオを聴きつつ夕食の準備をしています。春になると思い出すことがあります。それは今から十二年前のことです。長崎から大分へ引っ越して行く時のことです。長崎には、夫の転勤で一年間だけしか住まなかったのですが、そこで今でも親しくしている人と出会いました。血液型が同じということで、公民館のサークル活動で知り合い、すっかり意気投合したのです。そして、引越しの日、彼女は私をびっくりさせようと、運送会社に電話をして、私の搬出の時間を確認して、私が長崎駅から出発するものと思い、長崎駅でずっと私を待っていたそう
です。ところが、待てども、私が来ない!そう、私は荷物を全部送り出すと、社宅の友に見送りしてもらい、タクシーで近くの浦上駅へ行って、長崎駅の一つ先の浦上駅から特急の「かもめ」に乗って大分に向かったのです。もっと長く住みたかった長崎の町でした。その時のことは今も笑い話です。そして、その友は、今は鹿児島に・・・出会いと別れを何度も繰り返し、そのたびに友達が増えたことに感謝の思いは尽きません。
佐賀県佐賀市 福島幸子さん |