父へ
私の父が口癖のように歌っていた曲がこの曲でした。父はよくいえばマイペース。まあ〜能天気な性格でした。母が父にあれこれ言っても、いつも父は「♪下駄を鳴らして奴が来る腰に手拭いぶら下げて〜♪」とリラックスモードで、そんなのおりゃ知らねぇ〜なんのことかいな〜といった感じで、母の言葉には耳も貸さず、母が「ちょっときちんと聞いてるの?」と声を荒らげれば、父もそれに負けないくらい大きな声で歌いまくっていました。私は子供ながらにそんな姿を見て、「そうすれんばいいんだ」と思い、母から怒られた時には、父と同じようにこの歌を口ずさんでは、「あんたまでお父さんのマネをするんじゃないの」とボカッ(←頭にゲンコツされた音)と母の怒りをさらにかっていました。そんな両親も4年前に揃って定年退職してからは、母の勢力が家庭に蔓延し、今度は父が母に何かを言っても、今度は母が、「♪下駄を鳴らして奴が来る〜♪」と歌っています。父はあきらめ顔で母と一緒に合唱を始めます。相変わらず能天気なのは昔も今も変わりません。
東京都府中市 ラジオネーム「ほのぼの」さん |