大学の詩吟部で同期だったN君へ
竹内さん、毎日楽しみにしている番組です。この番組を聴いていると、いろんな人がさまざまな理由で曲を贈っているんだなぁと思います。そこで、私もずーっと気になっている人へ「哀愁のカサブランカ」を贈ってほしくてお便りしました。今は私は京都にいますが、福岡の出身です。24歳の夏、わたしは自動車学校へ通い、なんとか路上での運転試験にこぎつけました。でも、とっても不安だったので、誰かの車を借りて練習がしたいと思い、N君に一日練習させてほしいと電話しました。実は、彼からは大学生の時、「好きだ」と告白されていたのに、なんかピンとこなくて、「友達として・・・」と言ってしまったのでした。そして、卒業後はも毎年お正月とお盆に電話をしてきてくれるし、彼だったら、車に乗せてくれる・・・そんなエゴで、調子のいいことを頼んだのでした。でも、彼は快く引き受けてくれて、筑後川の土手で、手とり足とり教えてくれました。そんな時、ラジオからこの曲が流れてきました。彼の気持ちを利用して、虫のいいことをしている・・・そんな自分が後ろめたく、なんてひどい人間だと何回も自問自答しました。それから月日が流れ、彼が結婚したと風のうわさに聞きました。いい人を見つけて、幸せに暮らしているんだろうなぁとしみじみ思いました。今この曲を聴くと、N君を思い出し、懐かしさの一歩手前でこみあげてくる切なさや後ろめたさを感じてしまいます。三十年の前のことだけど、N君あの時はごめんね、本当にごめんなさい。
京都市南区のラジオネーム「福娘」さん |