はるかかなたの国にいる母へ
母がわずか半年の闘病で、あっさりはるかかなたの国に旅だってから早3年、結婚後もなかなか親離れできず、隣に住む母に何から何まで私は頼りきりでした。そのありがたさというのは亡くなったあとの方が身にしみるものです。アクティブだった母は、生前ソシアルダンス、料理教室、ランチ会、飲み会、カラオケと、毎日本当に楽しそうでした。特にカラオケは、いきつけのスナックのママと点数を競い合うほどの熱の入れようで、家でもよく練習をしていました。そんな演歌専門だった母がある日突然「マギーの♪冬がはじまるよって曲知ってるー?」と言い出したのです。「マギーじゃなくてマッキーでしょ?槇原敬之、知ってるよー」と言うと、「あの曲いい曲だよね。カラオケで歌いたいからCD買ってきてー!」そこでCDを買って渡すと、一生懸命練習していました。「こぶし」の利いた母の「冬がはじまるよ」はよく覚えています。毎年冬が近づくと母と一緒に聴いたこの曲が聴きたくなります。
東京都西東京市のラジオネーム「とっとこ百合太郎」さん |